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社民党・市民の声ねりまを代表して一般質問を行います。最初に、志村区長が区政運営の柱としてきた「行政改革」について伺います。
「委託化・民営化」施設の検証を
昨年度から今年度にかけて数多くの区立施設が委託に移り、今後は、「委託化・民営化」された施設の検証が大きな課題となってきます。まずこの点でおたずねします。
第一に、「指定管理者制度の適用にかかる基本方針」に記されている第三者評価や利用者も加わった運営協議会の設置がどのくらい進んでいるか、区の認識とあわせお答えください。
第二に。受託事業者が質の高い事業を安定的・継続的に続けていくためには、それにふさわしい人材を確保し、働き続ける意欲を支えるに足る雇用環境が必要です。しかし、実際には、厳しい労働条件と劣悪な待遇を訴える声が少なからず聞こえてきます。今後は、経費の節減ばかりに目を向けるのではなく、適切な雇用条件の確保という視点から、委託のあり方を見直していくべきではないでしょうか。
第三に。委託化施設においては特にサービスの外延的な拡充が図られていますが、他方で直営施設との格差が顕在化しています。少なくとも、サービス提供時間や提供日、主たる事業内容など事業の基本にかかわる点については、直営施設の運営を見直し、公平な事業実施を図るべきではないでしょうか。
第四に。委託事業者の更新・再選定のルールが不明確です。委託に移った保育園3園や学童クラブの来年度契約は、現行受託事業者との随意契約になるのでしょうか。改めて公募選定を行わないとしたらその理由と、委託継続の公正さを担保する方策についてお示しください。
第五に。業務委託の場合も指定管理の場合も、いずれも毎年度の委託金額は所管課と受託業者との協議によって決まっていると聞きます。この手続きをより透明なものにするために
●契約金額算定の基本的な考え方、算定のルールを統一的に明示する
●一定額以上の業務委託または指定管理の契約について議会への報告を義務付ける
といった改革を求めますが、いかがでしょうか。
一般に、公(おおやけ)が直接になうべき業務の範囲を時代や社会情勢に応じて見直していくことは必要なことです。また、委託が民間の先駆的な取り組みに学ぶ一つの形態となりうることを否定するものでもありません。しかし、この間の「委託化・民営化」は、そうした公的な責任の自覚に立った節度あるものであったとは言いがたいものです。実施状況をしっかりと検証したうで、今後の行政改革にあたることを強く求めるものです。
区長
委託化.民営化の検証についてお答えします。
はじめに、福祉的施設に導入することとしている第三者評価についてですが、平成7年度に「貫井福祉園・貫井福祉工房」において実施したのをはじめ、これまでに5施設で実施しております。また、運営協議会などについては、石神井公園区民交流センターなど、13施設で設置しております。今後とも、施設特性に応じて、第三者評価、利用者アンケートの実施や運営協議会の設置などにより、委託化した施設のサービス水準の維持向上を図ってまいります。
つぎに、委託化した施設における雇用環境につきましては、指定管理者との基本協定や業務委託契約の仕様書の中で、職員の勤務条件等の法令順守を規定しており、今後とも受託者に対し適正な雇用を求めてまいります。
つぎに、直営施設の見直しについてであります。委託化の目的は、民間の能力を活用して効果的・効率的なサービス提供を図ることであり、委託化を契機として、区民二ーズに応える柔軟なサービ展開を引き続き図ってまいりますが、直営施設につきましても、さまざまな工夫によりサービス向上に努めてまいります。
つぎに、委託事業者の更新についてであります。業務委託をしている保育園や学童クラブについては、福祉サービスを提供する施設であることから、利用者の評価を含め運営実績等を総合的に検証のうえ、契約を更新してまいりたいと考えております。なお、指定管理者制度を適用した施設については、「指定管理者制度の適用にかかる基本方針」に規定する手続きによって選定することとしております。
つぎに、委託化した施設の管理業務にかかる委託料につきましては、区民サービスの向上と経費の節減を図る観点から総合的に検討のうえ、議会の議決をいただいた予算に基づいて適正に執行しているところであります。
いずれにしても、区立施設や事務事業の委託化を積極的に推進することによって、区民サービスの向上や経費の節減、雇用創出など、大きな効果を上げてきており、これまでの実施状況を踏まえ、今後もさらなる委託化・民営化を着実に進めてまいります。
「区民との協働」が後退している
志村区長は、「委託化・民営化」とともに「区民との協働」を理念として掲げてきましたが、実際には、区民の区政への参加・参画は進まず、むしろ後退さえしています。
この4月から区民情報ひろばが東館3階の暗い一角に移動させられました。ひろばを訪れる区民は激減していると思われますが、利用状況はどうでしょうか。ひろばは、特段の目的がなくとも区民が自由に出入りし、区政に触れ、区からのメッセージを受け取る貴重なスペースでした。開かれた区政をつくり、区庁舎を親しみの持てる場所にしていくためにも、区民情報ひろばを「ひろば」にふさわしい場所にもどすべきと考えます。
外国籍区民は、この4年間、とうとう区政の蚊帳の外に置かれたままでした。外国人登録の窓口に置かれた防災パンフレットが前区長時代のものであったことが、すべてを象徴しています。外国籍区民は、区が言う「区民との協働」の対象ではないのでしょうか。来年度には、外国語の便利帳を発行し、外国籍区民自身が参加する懇談会を必ず発足させるべきです。
保育園、学童クラブや障害者施設のあり方の大きな見直しが進んでいるにもかかわらず、利用者、区民とともに検討するという姿勢はまったくと言ってよいほど見られません。委託化施設が決まったときに説明するだけでなく、あり方検討の場を設け、全体の事業をどう進めていくかという段階から利用者、区民の参画を図るべきです。
以上、三点について区の見解を求めます。
健康福祉事業本部長
はじめに、福祉施設のあり方の見直しについてであります。
現在、障害者施設では、障害者自立支援法の施行にあわせ、障害者団体や公募区民から構成される「障害者計画懇談会」を設置するなど、施設のあり方の見直しに向けた検討を進めております。
今後とも、利用者、区民のご意見をより幅広くお聴きし、最終的には行政の責任として、全体像をお示しするとともに、福祉園などの委託化・民営化につきましては、これまでどおり、着実に進めてまいります。
総務部長
次に「区民情報ひろば」についてであります。
事業本部制の導入にともない、来庁区民の利便性の向上と事務の効率化を図るため、平成十八年四月に戸籍住民課の窓ロを本庁舎2階にできるだけ配置するようにしました。
これに伴い、本庁舎2階にありました「区民情報ひろば」を、近接の場所で、かつ、100平方メートルを超える面積を確保できる東庁舎3階に移転いたしました。
四月から十月までの利用者総数は、昨年と比較して4割となっておりますが、現状のレイアウトの中で、他の場所を確保することが困難なことから、引き続き案内表示を増やすなど工夫をし、一層の周知を図ってまいりたいと考えております。
つぎに、外国語の便利帳についてお答えします。
現在、区では、外国語による区報の定期的な発行をはじめ、防災の手引や、住民税・国民健康保険など各窓ロにおいて必要に応じて外国人向けの案内等を発行しているところです。
協働の推進には、最新の情報の提供・共有は欠かせないものと考えておりますので、今後、ご意見の便利帳も含め、情報発信の一層の充実に向け検討して参りたいと存じます。
次に、外国籍区民自身が参加する懇談会についてであります。
平成18年度から文化国際課を新設し、国際交流協会の事務を引き継いだところでありますが、現在、国際交流協会の理事であった方々のご意見をいただくなど、早期の懇談会設置に向けて検討を進めているところであります。
外環道計画の環境影響
項をまちづくりに移します。
まず、外環道延伸計画について2点、お訊ねします。
最初は、外環道整備が地域の生活環境に及ぼす影響についてです。
環境影響評価書では、大気質や騒音については「環境影響がない、もしくはきわめて小さい」という基本的な評価が示されています。しかし、たとえば大泉ジャンクション周辺の窒素酸化物、浮遊粒子状物質の濃度予測は規制値ぎりぎりの水準であり、外環沿線でもっとも環境が悪い地域の一つになると予測されています。都知事のアセス意見書は「供用後においては、走行する自動車や換気所からの大気質などへの影響も懸念され」るとしていますが、この点で区の基本的な認識をお示しください。
大泉ジャンクション周辺は、これまでも長年、大量の通過交通と幹線道路の渋滞によって、深刻な環境悪化を被ってきました。交通政策や追加的な環境対策も含め、現状の改善こそが必要です。区の決意をお聞かせください。
次に、先日出された都知事のアセス意見書では、八の釜憩いの森について「環境への影響を回避または低減する措置について優先して検討すべき」と指摘されました。
そこで伺います。 国は、回避または低減は困難であり、代償措置を講ずるという見解のようですが、区としては、この国の見解を了とするのでしょうか。
また、都市計画変更案に対する区長意見書素案では「やむを得ず改変が必要となる緑地等については、現状以上の代替措置を前提に、十分な協議の基に対応すること」となっています。「現状以上の代替措置」とは、単なる緑被面積ではなく、植生や生態系も含めた緑の質を含むものであると理解してよいか、ご確認ください。また、湧水については、国は水源の確保にしか言及しておらず、これではとうてい「現状以上」とはなり得ないと考えますが、いかがでしょうか。明確にお答えください。
環境まちづくり事業本部長
はじめに、外環道延伸計画についてであります。
まず、大気質、騒音の環境影響評価につきましては、準備書において示された、大気質、騒音に対する評価は妥当なものであると考えますが、区として一層の環境配慮を求める立場から、区長意見として、十分安全性を見込んだ環境保全措置をとるよう求めたところであります。そうした内容が都知事意見に反映されたものと考えており、区の意見と都の意見は基本的に同様であると認識しております。
次に、大泉ジャンクション周辺の環境対策ですが、国や、都とともに、これまでもその対策に努めてきたところでありますが、外環道の延伸により、周辺の通過交通や渋滞等の軽減を図ることで、大気等の環境の改善に寄与するものと者えております。また、供用開始後の事後アセスの結果によっては、追加の環境保全措置を求めてまいります。
次に、「八の釜憩いの森」につきましては、今回の変更案においても、外環の都市計画区域内にあることから、改変せざるを得ないものと理解しております。しかしながら、「八の釜憩いの森」は本区にとってかけがえのない自然であることから、代替措置を確かなものとする必要があります。そのため、専門家を交えて、湧水などの水源や生態系について調査を行い、地元の皆さんや関係者を含めて検討することを求めたところでございます。このような代替措置が、単なる緑被面積や水源の確保に止まることとならないよう、事業者に対し、十分協議を求めてまいります。
関越側道の車止めについて
つづいて、関越側道に設置された車止めについておたずねします。
この側道を一般の交通に供すべき区道として告示した以上、車止めは撤去すべきというのが区の立場です。しかし、この車止めが置かれた経緯を踏まえれば、単なる道路管理者としての立場を主張してすむものでないことも明らかです。
1974年区議会本会議での土木委員長報告に、「この地域の静かな生活環境を守り、公害や交通事故のない道路にするということを前提に…側道については、一般道路とするが、道路構造、交通規制の強化等で、通過交通のない生活道路とするという基本方針を決定し…」という一節があります。
「通過交通のない生活道路とする」こと、つまり関越道の開通に伴って生ずる地域環境への負荷を最小限に抑えるために通過交通を排除することが、側道問題を考える際の地域、議会の一致した出発点であったことを教える報告です。
区議会としては、この「基本方針」をふまえて一般道としての開通に了解を与えたのであり、車止めの撤去を求める陳情を採択した1992年の議会の判断も、この「基本方針」を土台にしたものと考えるべきです。この「基本方針」は、道路管理者としての区の方針ではないのでしょうか。もし変わったとしたら、いつ、どういう理由で変わったのか、まずお答えください。
域外からの通過交通の排除のためには、一義的には周辺の幹線道路の整備が課題となります。しかし、それまで我慢しろというのはあまりに経過を無視した話です。ていねいな実態調査、時間・方向などの交通規制を組み合わせた流入交通の排除の可能性について、地元住民、関係機関と十分に協議すべきであり、間違っても車止め設置に至った住民の思いを軽視してはなりません。とくに、所管部がいわゆる「安全対策」の工事を強行しようとしていることははなはだ遺憾です。撤去について住民の理解が得られたとはとうてい言えず、また実施を約束した交通量調査の委員会報告すら行われていない段階であり、住民無視、議会軽視と指弾されかねない事態です。工事を中止すべきであり、区長の責任ある答弁を求めます。
環境まちづくり事業本部長
次に、関越側道の車止めについてであります。
道路管理者としての区の責務は、認定ならびに供用開始の告示を行った区道について、適正な管理のもと、一般の交通の用に供することにあります。
一方、昭和49年の側道開通前の時点においては、東西方向の広域的な通過交通を担うべき目白通りが未開通であったことから、実質的に地域において主要な東西道路となる側道への通過交通の流入を防ぐため、議会の陳情.請願の採択を受けて、道路管理者として暫定的に車止めを設置したものであります。
したがいまして、道路管理者としての基本的な者え方は変わっておりません。
しかしながら、目白通りの北園交差点までの開通や、周辺地域全体の交通量の増加に伴い、地域での実態は、車止めを迂回した多くの通過車両が住宅地の狭い生活道路に進入する事態が発生し、交通安全の観点からも懸念される状況となりました。
このことから、平成4年の議会では、歩道と車道が分離しており、道路構造上右安全な関越側道に車を通すという考えから、地域の理解を得る努力のもとに車止めを撤去することについて、陳情が採択されたものと認識しております。
また、地域交通の課題を抜本的に解決するためには、放射7号線や補助230号線の延伸など、幹線道路網の整備が必要であると考えており、現在それぞれ順次事業認可を取得し、都とともにその早期完成に向けて努力している段階にあります。
こうした状況のもと、当該地域では、一刻も早い交通安全の確保が求められていることから、今回、その具体的な工事に着手することにしたものであります。
この間、地域の皆様や関係機関との協議の中で、安全対策については一定の理解が進んだと認識しておりますが、車止めの撤去につきましては、さらに地域のご理解を得る努力が重要と認識しておりますので、引き続き誠意を持って対応してまいります。
練馬工場建て替え計画の見直しを
次に、練馬清掃工場の建て替え計画について伺います。
23区清掃一部事務組合は、施設整備計画にもとづいて今年度中に練馬工場の「建て替え計画」を策定する予定です。まず、見込まれる整備経費はいくらか。そのうち区の負担分は、債務の償還にあてる分担金も含めいくらになるか、お示しください。
言うまでもなく、清掃工場整備の前提は、ごみ量と確保すべき焼却能力についての適切な見通しです。計画によると、現在整備中の2工場が完成した2007年度で、焼却余力は推計ごみ量比で23%にのぼります。その後、建て替え・プラント更新のために常時2工場が休炉するという前提でも、ごみ量に比べてなお7%程度の余力を抱えると一組は推計しています。これは、定期的な点検、突発の故障などをあらかじめ見込んだ数字であり、しかも、杉並、港両工場にある計600トンの予備炉は含まれていません。
7%といえば年20万トン、日量にして700トン近い余力です。一組は、ごみ量の月変動に対応するために7%分の余力を見込んだとの説明をしていますが、こうした変動はピット残量の調整や定期点検時期の調整で吸収できるはずのものです。
まず、一組のごみ量推計が適切なものであるのかどうか、特に各区のリサイクルの今後の進展を適切に見込んだものであるかどうか、区の認識をお聞かせください。
一組のごみ量推計を前提にしても、施設整備計画は過大な処理能力を想定しており、少なくとも清掃工場を一工場、削減する方向で計画を見直すことは十分に現実的な選択肢であると考えます。練馬工場は、計画の中で唯一、プラント更新ではなく建て替えであり、しかも第一種住居専用地域に軒を接しており、地域に対する負荷も大変大きい工場です。資源化施設等の整備などで23区の清掃リサイクル事業に貢献することも可能です。23区全体の財政負担軽減になることでもあり、区として、練馬清掃工場の建て替え計画見直しを求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
環境まちづくり事業本部長
次に、清掃工場に関するご質簡についてお答えします。
まず、練馬清掃工場の整備経費等についでありますが、現時点において、起債による償還金を含め、およそ30O億円と見込んでおります。このうち練馬区の負担分については、総額およそ20億円を15年程度で支払うことになると試算しております。
次に、清掃一部事務組合のごみ量推計についてでありますが、23区で合意された方法に基づき、各区のリサイクル事業の進展に伴うごみの減量分などを含め、適切に推計されているものと考えております。
次に、練馬清掃工場の建替え計画についてでありますが、将来にわたって23区全体のごみを安定的に処理するため、計画化された施設整備については着実に推進しでいくことが必要であり、区として計画の見直しを求める考えはありません。なお、練馬清掃工場の立地条件を踏まえ、建替えに伴う地域への十分な配慮について、清掃一部事務組合に対し、強く要請をしてまいります。
すずしろの郷で問われる行政責任
次に、福祉・医療に関して伺います。
11月28日、老人保健施設すずしろの郷の開設者である医療法人の認可が取り消しとなりました。
最初に、すずしろの郷に投入された補助金はいくらか、返還の見通しがあるのか、お答え下さい。
今回の事態は直接には運営法人のすさまじい内紛に起因するものではありますが、しかし、何よりも問題なのは、なぜこんな法人の設立が認められ、多額の補助金を手にすることが出来たのか、ということです。
この点では、まず国と都の責任を問わなければなりません。
介護施設の整備を急ぐあまり、国は、老人保健施設の設置主体である医療法人の認可に関して大きな規制緩和を行ってきました。その節目になったのが、「老人保健施設の開設を目的とする医療法人の設立の円滑化について」という1991年の厚生省通知です。この通知によって、医療機関経営の実績がなくても、老人保健施設の開設だけを目的にして医療法人を設立出来るようになりました。すずしろの郷は、この規制緩和がなければ日の目を見なかったのです。安易な規制緩和がどんなリスクをはらんでいるかを、すずしろの郷は教えています。介護保険から障害者福祉、あるいは児童福祉へと福祉基盤の整備に関する規制緩和は、その後もさらに進んでおり、教訓とすべき点は大きいと考えますが、区の認識をお示し下さい。
また、練馬区長は東京都への開設許可申請に際して開設を支持する「意見書」を提出しています。区としての主体的な責任をどう考えますか。お答えください。
今回、業務停止に至った直接の理由は、施設管理者の不在です。しかし、すずしろの郷は、開設当初の2000年にすでに理事会の正当性をめぐって争いとなり、このときから施設管理者の不在ははじまっていました。その後、介護報酬が施設に入らないという、保険者である区にとって由々しき事態もたびたび繰り返されるなど、利用者・職員不在の混乱と抗争は延々と続いてきました。もっと早期に、法的な対応を取るべきではなかったでしょうか。都、区の指導監督責任をどう受け止めておられますか。
さらに、区の長期計画では、老人保健施設を620床から920床に増やすことをうたっています。もしすずしろの郷が閉鎖となれば多額の補助金が水泡に帰すだけでなく、100床の介護基盤が一時に失われるのであり、このままではこの計画達成はきわめて困難と思われます。適切な医療法人のもとで再生・再建が可能となるよう、国、都の責任も問いつつ、区としても全力を尽くすべきではないでしょうか。計画達成の見通しとあわせ、ご答弁ください。
健康福祉事業本部長
つぎに、介護老人保健施設「すずしろの郷」についてであります。
この施設は、平成十二年に開設されましたが、その整備に当たっては、国や社会保険診療報酬支払基金から約一億三干万円および東京都から約四億円、計約五億三干万円余の補助金が交付されていますが、区は補助金を交付しておりません。国や東京都などは、施設の業務停止を受けて、交付した補助金の返還請求を行っているとのことであります。
規制緩和は、区としても福祉基盤の整備を迅速かつ柔軟に進めていくために必要なことではありますが、一方で開設許可権者のチェック機能が、より重要になると認識しております。
区が提出した「意見書」についてでありますが、区は、この施設が、福祉基本計画に基づき、区内四番目の老人保健施設として、新しいサービス拠点として整備する必要性から作成したものであります。
一方、開設後の「すずしろの郷」に対しては、平成十二年度から区として、介護保険法に基づく実地指導を行い、改善を指導するとともに、その内容を、その都度、東京都に報告してまいりました。
さらに、国の機関との合同の実地調査も行うなど、区としては介護保険法に規定する区長の責務を適切に執行してきたと考えております。
区の実地指導の結果報告を受け、業務の改善勧告、停止命令など法的な対応は東京都の権限として行われるものであり、この時期まで処分が行われなかったのは、東京都の判断であると認識しております。
他方、「すずしろの郷」の閉鎖により、介護老人保健施設の百床を失うことは、整備計画の達成に大きく影響するものと考えています。
そのため、本年十月十五日には、この間の東京都の対応の経緯を踏まえ、この施設が、新たな法人により引き続き介護老人保健施設として再建されるよう、東京都知事に対して要望書を提出してまいりましたが、今後とも、施設の再建に向け、可能かつ効果的な対策を検討してまいります。
順天堂病院の課題について
開院から1年を経過した順天堂練馬病院は、地域医療の中で欠かすことのできない位置を占めつつある一方で、課題も浮かびあがってきています。
第一に、1日あたりの外来患者数は、当初見込みの800人を大きく上回って1000人を越えています。人員・設備いずれの点からも外来の診療能力の限界を超え、待ち時間の長さに対する苛立ちの声が聞こえてきます。
外来の受診状況を見ると、1日100人を超す初診患者のうち紹介患者は3分の1に満たず、他の医療機関への逆紹介も1日10件程度にとどまっています。外来への過大な患者の集中を解消するためには、地域の医療機関、とりわけかかりつけ医との役割分担と連携を徹底することが鍵です。医師会と医療連携の協定を交わし、紹介医療機関の登録システム、開放型の病院運営もふくめた地域医療のバックアップ施設としての機能の強化が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
第二に、公的な病院にふさわしい、地域に開かれた運営が進んでいません。運営連絡協議会が会議自体はもちろん、会議録の公開すらされていない状況は容認しがたいことであり、早急に協議会のあり方を改善すべきと考えます。責任あるお答えをお願いします。
第三に、特別室、個室の稼動状況はどうなっていますか。また、PETを区民はどのくらい利用しているのでしょうか。特別室やPETの利用が進まない大きな理由は、言うまでもなくその費用負担の重さです。区民の税金を投入した病室が有効に活用されず、議会の陳情を受けて資金計画に盛り込まれた最先端の医療機器が区民に利用されないとしたら、遺憾なことです。室料差額の見直しや高度医療機器の有効活用策を真剣に検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
順天堂病院の原点は、100億円にのぼる財政支援のもとで設立された地域医療の中核病院であるということです。順天堂大学が、区民に開かれた病院運営に意を尽くし、地域医療機関との連携を自ら求めていく姿勢をしっかり持ってくださることを、改めて強く望むものです。
健康福祉事業本部長
次に、順天堂練馬病院に関するご質問についてお答えいたします。
開院後、約一年半になろうとしていますが、外来の患者数は一日平均干入を超え、このうち七割以上は区民の方であり、練馬区の地域医療の核を担っているものと評価しております。
また、外来の待ち時間が長いことにつきましては、練馬区医師会、順天堂練馬病院、日大練馬光が丘病院および区で構成する「医療機能連携推進委員会」におきまして、区内医療機関との役割分担や患者の紹介・逆紹介等について協議し、医療連携を強化する中で解消を図っていく考えであります。
次に、順天堂練馬病院の運営連絡協議会についてであります。
この協議会は区と順天堂の協定および協定細目に基づき、順天堂練馬病院が設置し開催されております。協議会の構成は、練馬区民代表4名をはじめ、区議会議員3名、医療関係者2名、学識経験者2名、それに区、順天堂練馬病院の職員からなっており、広く委員の意見を受け入れ、可能な限り順天堂練馬病院の運営に反映されているものと考えております。協議会は開催されておりませんが、これは、委員の自由な協議を保証するためと受け止めており、また会議録の公開につきましては、今後、病院側に要請してまいります。
次に、病室や医療機器の有効活用についてであります。
病床の利用状況につきましては、全体で稼働率が90%を超えており、また、特別室と個室の利用だけでもあわせて概ね80%であり、有効に活用されていると考えておりす。なお、室料差額につきましては、区民要望を踏まえ、かつ、病院が継続的に安定した運営を行うことを考慮して決定されたものでありますが、今後、必要に応じて改善を図るよう要請してまいります。
また、PET等個々の医療機器につきましては、区民の利用割合の統計はとっておりませんが、外来患者の区民割合は7割を超えています。なお、PETの利用者は月に60人から70人程度であると聞いております。
いずれにしましても、癌の早期発見、早期治療は、区民の多くの方が望んでいることであります。癌の発見に有効な医療機器であるPETは、高度医療機能を維持するために必要なものであると認識しております。
「二学期制」は是非含めて議論を
教育と子育て支援に関連して何点か伺います。
まず、二学期制についてです。
教育委員会は、二学期制を全校でいっせいに導入する準備を進めていますが、その際、先行して実施してきた3校の経験を十分に検証することが不可欠であるはずです。
実際はどうでしょうか。11月16日の文教委員会で、「二学期制先進導入校への質問紙による意識調査の結果」の資料が提出されました。先行的に実施してきた3校の教職員、保護者、生徒の意識調査としてはおそらくは唯一のものであり、きわめて大切な調査です。
なぜ二学期制導入について報告のあった4月の文教委員会では示されなかったのでしょうか。しかも、アンケートそのものは教育委員会が導入を決めたのちの3月に実施されています。順序が逆ではないでしょうか。お答えください。
「これまで二学期制を導入した3校は、以前にも増して子どもと教師が向き合う時間が増え、より充実した教育活動を展開できるなどの成果を上げております。学校が行ったアンケート調査などで、子どもや保護者からは、『運動会の準備の時間が増えてよかった』、『慌ただしさがなくてよかった』との声を聞いております。」
これは、第2回定例会での教育長の答弁です。教育だよりでも、二学期制のメリットばかりが強調されています。しかし、アンケート結果を見ると、二学期制導入に対する評価は真っ二つに二分されています。これでは、教育委員会は、恣意的な世論誘導をしていると疑われてしまいませんか。あらためて一律導入の是非も含めていねいな議論をやり直すべきと考えます。ご所見をお示しください。
学力テスト学校別成績の公開方針への転換、二学期制の導入、さらには長期計画に小中一貫校設置を唐突に盛り込んだことなど、最近の教育委員会には、閉鎖的で上意下達的な姿勢が見られます。教育委員会は任命制の委員会組織であり、それでなくとも現場、一般区民との距離が生まれがちです。子どもたち、保護者、区民の信託を受けて教育行政を進めているという大前提をしっかりとふまえ、区民に対しても、議会に対しても適切かつ十分な説明責任を果たすべきであり、自戒を求めるものです。
教育長
私から教育に関する質問についてお答えします。
まず、二学期制についてであります。
はじめに、二学期制の意識調査についてであります。
練馬区では、平成十四年度から実施された学校完全週五日制の実施、相対評価から絶対評価への転換、学習指導要領の改訂などを踏まえ、平成十五年度からの評価二期制の研究や平成十六年度からの三校での取り組みを行ってきたところであります。それらの成果と他区市での二学期制導入校の情報などを踏まえ、学校教育活動の充実を図るため二学期制を導入することにいたしたところであります。
三校の意識調査につきましては、全校導入の方針決定後、今後、各学校で二学期制導入に向けて円滑に準備を進める上での資料の一つとするために実施したものであり、順序が逆であるとは認識しておりません。
次に、あらためて一律導入の是非も含めて、ていねいな議論をやり直すべきというお考えについてであります。
全校導入の方針を決定するに当たっては、校長、副校長を委員とする準備会を立ち上げて検討を重ねてきたところであります。この結果も踏まえ、教育委員会において議論を重ね、検討を深めたところであります。
また、小・中学校PTA連合協議会からのご意見やご質問に答えるなど、広く保護者の考えを受け止めつつ、教育委員会としての方針を説明し、理解をいただいているところであります。
現在は、各学校とも新教育課程の編成など、二学期制導入に向けて具体的な準備を進めております。したがいまして、全校導入の是非について、あらためて議論をやり直すことについては考えておりません。
次に、教育委員会に対するご指摘についてであります。
教育委員会が閉鎖的で、上意下達的な姿勢が見られるとのことでありますが、練馬区教育委員会は常に開かれた教育委員会を目指しており、方針や課題につきましても、公開された教育委員会において、学校の意見も汲み取るとともに、重要な事案については協議案件として取り組むなど、十分な協議を重ね決定しております。
教育委員会が、学校や区民との距離が生まれがちとのことでありますが、学校とは、日常的な学校訪問や定例的な校長会・副校長会.研究発表会などを通じ十分な意思疎通や状況把握を行っております。また、区民との距離を縮める取り組みとして、平成十三年度からは教育委員会を学校で開催する「出前教育委員会」を年に四〜五校行い、児童・生徒や保護者との意見交換を通して様々な生の声をお聞きし、教育行政に反映させております。
区民や議会に対する説明責任を果たすべきとのことにつきましても、会議録のホームページによる公表や教育便りの発行、ねりま区報を使った広報、また、主要課題についての議会への適宜適切な報告など、説明責任については果たしているものと考えております。
「場に応じた教育」からの転換を
次に、来年度から「特別支援教育」が本格的に開始されます。特別支援教育の大きな理念の一つは「場に応じた教育」から「個に応じた教育」への転換です。区のあり方検討委員会報告書案の表現を借りれば、「障害の種類や程度に応じた特別な場で指導を行う『特殊教育』から、障害のある児童・生徒に対してその一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な教育的支援を行う『特別支援教育』への転換」です。
しかし、安易に場の移動で支援の問題を解決しようとする傾向はなかなか解消されず、特に発達障害の子どもたちを中心にむしろ助長されているのではないかと危惧されます。特別支援教育の本来的な理念にそぐわないだけでなく、障害のある子もない子もともに学び育つという、ノーマライゼーションの原則に逆行することになりかねません。
通常級における支援の改善をはかることで、あえて場を移さずとも、とくに他の学校に通わなくても、地域の友人たちと一緒に育ち学んでいくことのできる子どもたちは少なくないはずです。通常級に籍を置きながら受けられる支援を多様で柔軟なものにしていくこと、そのための学校内外の体制整備が急務であると考えますが、お考えをお聞かせください。
また、肢体不自由の子どもたちの学校内での移動のために、保護者が終日の付き添いを求められるケースが少なくありません。施設のバリアフリー化を急ぐだけでなく、教職員の意識改革や職種を超えた支援をくみ、保護者の負担を軽減すべきてす。お答えください。
さらに、これまでの就学指導は、基本的には障害の種類、程度に応じた場の選択を主たる目的としたものでした。しかし、「個に応じた支援」に軸足を移す特別支援教育のもとで、就学指導の見直しも急務です。多様な選択肢を提示しつつ、保護者がその子に応じた就学のあり方を判断する材料を提供すること。就学先の選択だけでなく、就学予定校のコーディネーターなどとともに就学後の支援のあり方を検討していく場とすること。今後、就学指導にはこうした役割が求められていると考えます。ご所見をお示しください。
教育長
次に、特別支援教育についてであります。
まず通常学級での支援についてであります。
通常学級に在籍する配慮を要する児童・生徒への支援につきましては、現在、週八時間以内の通級指導学級での指導のほか、必要に応じて学級経営補助員や移動等介助員の配置を行っております。また、入学後の心身障害学級への転学についても、保護者の意向を尊重し相談に応じております。
教育委員会といたしましては、配慮を要する児童・生徒への指導・支援を学校全体の課題として校内委員会を中心に組織的に取り組むことを第一とし、心理士等による巡回相談、研修の充実や研究成.果物の提供など、学校を支援する体制整備を引続き図ってまいります。
次に、肢体不自由の児童・生徒の校内での移動につきましては、移動等介助員に加え、プール介助員を配置し、保護者の負担軽減を図るとともに、施設のバリアフリー化を行っております。また、教職員も一丸となって児童・生徒の支援に取り組んでおります。
引続き、保護者の理解と協力をいただきながら、校内での移動支援に努めてまいります。
次に就学相談のあり方についてであります。
本区におきましては、平成十四年に学校教育法施行令が改正され、就学相談に専門家の意見聴取が必要となった以前から、就学指導委員会に医師、心理士等の専門家を加え、きめ細かに相談を実施してまいりました。また、保護者とは、子どもの将来を見据えて就学先を充分に協議し決定しており、入学後の転学相談につきましても、適切なフォローを行っております。特別支援教育を進めるにあたりましては、これまでの相談内容に加え、各校コーデイネーターとの連携を含め、就学相談の充実に努めてまいります。
以上であります。
仮称「練馬子ども条例」制定を
最後に、(仮称)練馬子ども条例について伺います。最近、子どもたちを取り巻く悲惨な報道があとを絶ちません。そこに顔を出すのは、親子関係の崩壊と家庭内の虐待、子どもたち同士のいじめ、教師も含めた身近な大人による抑圧、将来への不安・絶望からくる自殺と、家庭も含めた社会そのもののゆがみ、ストレスに押しつぶされそうになる子どもたちの姿です。
子どもたちは、社会のひずみをもっとも強く、また、もっとも敏感に受け止めやすいものです。子どもたちの悲鳴はまさに社会を映す鏡であり、私たち大人はまずもってみずからを省み、この社会そのもののあり方を問い直すことを求められています。
子どもたちの悲痛な叫びが聞こえない人はいないでしょう。目線を下げ、横に並び立ち、すべての子どもたち一人一人の、未来につながる社会の一員としての権利と人格を認め、自由な発意と学ぶ力を信じる、その原点に立ち返って、子どもたちと向かい合うべき時です。この点で子どもたちを自由な、育ち行く主体としてではなく、大人によって、いや国家によって教え導かれ、ときに徳目や「愛国心」を教え込まされる客体として位置づけることを土台とした教育基本法の「改正」案は、まさに時代の課題に逆行するものです。
子どもたちの思いをしっかりと受け止め、子どもたちとともに歩む練馬区、練馬区政であることを確認するために、練馬ならではの仮称・子ども条例をつくるべきではないでしょうか。子どもたちを尊重し、子どもたちとともにあろうとする行政、議会、区民の決意は、時に100の防犯カメラよりも子どもたちの命と権利を守る力になると考えます。練馬区として条例制定を進める考えはないか、お答えください。
健康福祉事業本部長
最後に、仮称練馬子ども条例の制定に関するご質問にお答えいたします。
区では、次世代育成支援行動計画の策定に当たり、児童憲章や児童の権利に関する条約などを踏まえたうえで、4つの基本理念の一つとして「子どもの最善の利益を考えるとともに、子ども自らの「育つ力」を大切にする」と定めております。
この行動計画に基づき、これまでも子どもの人権を尊重し、子どもの健やかな成長を保障することを基本として、子育て支援施策を進めてまいりました。今後も着実に進めてまいります。
従いまして、ご提案の条例制定は考えておりません。
志村区政の4年間を通して、「経営」や「効率」を優先する区政運営の陰で、区民の安心と生活の安定を支える区の力量は確実に落ちてきています。一期目の限られた視野と経験の中からではありますが、区政の基本的な転換が必要であるということを痛感し、そのために力を尽くす決意であることを申し上げて、私の一般質問を終わります。
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