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池尻成二 市民の声ねりまの一般質問を行います。
選挙直後の5月11日、私は、関越側道車止めを撤去するという区の決定を知り、耳を疑いました。そして、他の19人の議員有志との連名で、この決定をめぐる事務の検査を目的とした臨時議会の招集を請求しました。議会が軽んじられている、地元の住民がないがしろにされているという疑念にはきわめて強いものがあったのです。最終的には、議会は区の事務執行を是とする決議を多数をもって採択しました。しかし、この問題は、臨時議会というかつてない事態に至ったというだけでなく、その内容においてもこれからの志村区政の基本姿勢を鋭く問うものであり、まずこの問題から質問を始めたいと思います。
臨時議会の翌日、5月23日、練馬区は関越側道の車止めを撤去しました。一般区道として告示された道路に車止めが置かれているという状況は、それ自体は決して正常なことではありません。また、周辺地域の道路交通環境が大きく変化してきていることも事実です。しかし、そうした点を考慮してもなお、区の対応は大変遺憾であったと言わざるを得ません。ひとつは、区みずから約束した地域全体の話し合いがまったくおざなりなものに終わったことです。もうひとつは、道路管理者としての責任と道路交通上の便宜が優先され、この地域のまちづくり、とりわけ沿道住民の生活と環境に対して区がどのように責任を果たしていくのかがきちんと示されないままに、撤去ありきの対応に流れてしまったことです。
この車止めは、関越道に貫かれたこの地域の独特な状況を踏まえ、地域の住環境、自然環境をどう保全するかという苦闘の中で置かれてきたものです。しかし、区のこの間の対応は、そうした歴史的な経緯や関越道整備以来この地域が引き受けてきた重い負担に対する理解が感じられないものでした。これから外環道など大きな道路事業を控える中で、私はこのことをきわめて深刻に受け止めています。それぞれの道路計画予定地住民の多くが、我が事としてこの車止め問題を見守っていたことを、区はまず肝に銘じるべきです。
区長は、臨時議会における行政報告において、交通安全対策と環境対策については今後も住民意見を聞きながら対策を進めていく、としています。この言葉がどれだけ誠意をもって実行されるかは、これからの区の道路行政を占う試金石となっています。私は、撤去後の環境変化を十二分に検証するとともに、周辺住民共通の願いである通過交通の排除のために最大限の努力を果たすこと、その中で地域住民とりわけ側道沿線住民の不安に十分にこたえることを区に求めるものです。区の決意をお示しください。
区長 関越側道の車止めについてであります。今回の関越側道の車止めの解除でありますが、これは、平成4年に、撤去を求める陳情が練馬区議会全会派一致のもとで採択されたことを尊重したものであります。
この間、地域との話し合いの中で、関越側道に車止めがあることから、歩車道の区別のない生活道路に多くの車両が流入し交通安全上危険である、との地域の多くの声に応えるため、開放したものであります。
今後についてでありますが、先の区議会臨時会で議決いただきました「関越側道の車止め解除に関する決議」を尊重して、引き続き、地域の交通安全対策や環境対策について、地元住民と話し合いを続けてまいる所存であります。
池尻 次に、新しい行政改革計画についてうかがいます。
行政改革推進会議がまとめた「行政改革推進に関する提言」は、「委託化・民営化を一層推進する」ことを求めています。しかし、今、私たちに求められているのは、むしろ安易な民間任せ、市場任せに対する自省と自戒です。
コムスン問題が連日、大きな社会的関心を集めています。事業所指定を受けるために行われた組織的な法令違反だけでなく、処分を逃れるための脱法行為の数々は、あきれるばかりです。そして、何万人もの高齢者の生活を支える事業所がいとも簡単に廃止され、あるいは利用者ごと売り買いされるという事態は、福祉や介護の精神を凍えさせるものです。
介護の「民間開放」を強力に推進する政府や厚生労働省の後押しを受けて、介護保険にはたくさんの営利企業が参入してきました。国の24時間巡回介護モデル事業を足がかりに急成長したコムスンこそその嚆矢であり、象徴でした。そのコムスンが引き起こした今回の事態は、安易な民間委託、とりわけ営利企業の参入に無批判であったこの間の行政に対して、強い反省を迫るものです。そしてそれは、練馬区にとっても、決して他人事ではありません。
練馬区も、「委託化・民営化」において公共部門の民間開放を急速に進め、その中で福祉部門にまで営利企業の参入が広がってきました。その象徴が、光が丘第八保育園です。
委託保育園における昨年度の職員の異動状況報告によれば、光が丘第八保育園が4園の中で図抜けて退職者が多く、常勤保育士の退職は園長も含めついに11名にのぼっています。保育士と子どもの信頼関係の積み重ねが不可欠な保育事業において、わずか1年の間に常勤保育士の半数近くが交替するという事態は異常であり、決してあってはならないことです。
また、都の第三者評価結果によると、委託前と比べて委託後の事業評価、利用者調査のいずれにおいても明らかに評価が低下しています。保育の質は低下させないというのが委託化の大前提であったことを考えれば、これもまた、由々しき事態です。まず、以上2点について、区の認識をお聞かせください。
保育園の運営委託は単年度ごとの業務委託であり、1園あたりの委託費が2億円に上るにもかかわらず、現状では契約についての議会の議決も必要としません。契約更新のルールもあいまいであり、今年度も、議会の意見を聞くこともなく、また、保護者をもまじえた事業検証の場を持つこともないままに、随意で契約が継続されてしまいました。こうした保育園委託のあり方は透明性、公正さに欠けるものであり、ただちに見直すべきです。とりわけ光が丘第八保育園については、保護者・区民の意見も聞きつつ、法人の適格性と保育の質を厳しく検証し、場合によっては受託法人の再公募あるいは直営への復帰も含めた責任ある対応をすべきではないでしょうか。お答えください。
光が丘第八保育園の経験は、「委託化・民営化」の成功ではなくつまずきを、成果ではなく課題を浮き彫りにしています。この経験を真摯に総括することぬきに、今後の「委託化・民営化」は認められないということを申し上げておきます。
企画部長 私から、委託化・民営化に関連したご質問にお答えします。
まず、光が丘第ハ保育園についてであります。ご指摘の退職者および第三者評価結果につきましては、区としても、課題としてとらえておりますが、昨年4月に現園長が就任して以来、園の運営は、着実に改善しており、概ね区立保育園と同程度のサービスが提供され、加えて延長保育、休日保育などでの充実が図られているものと認識しておりします。従って、今後も、区と事業者が協力して、保育の質のさらなる向上に努めてまいります。
また、平成19年度の委託契約につきましては、当園の運営委員会にその内容等を説明し、保護者の方々のご意見をいただきながら進めてきており、園が安定して運営されていることを考え合わせると、継続して契約した点に問題があるとは考えておりません。
池尻 推進会議の「提言」では、次期行政改革の4つの柱の一つとして、「働きがいのある職場づくり」の必要性を強調しています。この点に関連して、委託化・民営化のもとで広がった不安定雇用を区としてどう考えるか、おたずねします。
総務省の労働力調査によれば、今年第一四半期の全雇用者に占める非正規雇用の割合は33.7%とついに3分の1を越え、非正規雇用の拡大が大きな政治問題ともなっています。「非正規雇用者の増加が将来の格差拡大につながるおそれがあることから、注意が必要である」と首相みずから国会で答弁せざるを得ない事態です。
ところが、区の資料によれば、昨年4月現在で、委託化された全158施設に働く職員は1,548人。そのうち、非常勤やパートなどのいわゆる非正規雇用は981人と、率にしてなんと63%を占めます。
委託先であっても、区の公務を担っていることに変わりはありません。そして、不安定で報われることの少ない非正規雇用では、「働きがい」を実感しながら働き続けることは困難です。国でさえ警鐘を鳴らしているにもかかわらず、区の事業が一般の雇用状況をはるかに上回る、ほとんど倍するほどの割合で不安定雇用に依存しているという事態は放置されてはならず、区の適切な対応を求めるものです。お考えをお聞かせください。
企画部長 つぎに、委託先の雇用についてであります。区では、施設の管理運営や事務事業を民間に開放し、委託化を進めるなかで、地域雇用の創出に寄与してきたものと考えております。
また、委託先の選定においては、労働関係法令の遵守状況を審査の対象とするとともに、指定管理者との基本協定や業務委託契約の仕様書のなかで、職員の勤務条件等の法令遵守について規定するなど、受託者に対し、適正な雇用を求めてきております。
なお、国の労働政策におきましては、就業形態の多様化の進展に対応して、適正な雇用環境を整備するため、現在、最低賃金法の改正案が国会で審議されるなど、検討が進められております。区といたしましては、施設の安定した管理運営を確保するためにも、国の動向を注視しつつ、今後とも適切な対応を図ってまいります。
池尻 「提言」はまた、「職員の健康管理、特にメンタルヘルスに対する対応を強化する」ことを求めています。
厚生労働省は、労働安全衛生法に基づいて、労働者の精神的な健康の保持増進のために事業者が講ずべき措置を、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」としてまとめています。
指針は、「職場に存在するストレス要因は、労働者自身の力だけでは取り除くことができないものもある」として、本人の努力(セルフケア)に加えて、現場の管理監督者が職場環境等の改善や労働者に対する相談対応を行う「ラインによるケア」、産業医等の専門家によるケアなどの必要性を指摘しています。いたずらに本人の責任や適性に帰するのではなく、職場環境の改善や専門的な支援などを組み合わせることによって職場全体で予防や再発防止に取り組むべき、というのがメンタルヘルスに対する国の基本的な考え方です。
こうした国の指針を踏まえ、今後の区の取り組みについて以下、伺います。
私の手元に、ある「確認書」があります。これは、主として精神的な病による休職・休暇から復職した職員に職員課が提出を求めたものですが、その最後に「今後、万が一類似の疾病で勤務できない状態に至った場合は、退職願を提出いたします」とあります。つまり、病気の再発によって再び仕事が続けられない状態になったら退職するという約束を、区が迫っているのです。
こうした「確認書」を区が求めていたという事実は、驚くべきことです。この確認書はいつから、何のために、誰の判断で使われ始めたのでしょうか。これは、病を抱えた人に適正な手続きに基づかずに事実上、退職を迫るものであり、労働法令にも反する行為ではないでしょうか。また、病から癒え、これから職場復帰しようとする人にこうした精神的プレッシャーを与えることは、メンタルヘルスという観点から見てきわめて不適切ではありませんか。お答えください。
病気の再発は本人はもちろん、職場にとっても困難な事態を生むことではありますが、しかしその予防は本人の「自己責任・自己管理」の問題に尽きるものではなく、職場環境の改善やリハビリへの人的・精神的な支援を含めた事業所全体の取り組みによってこそ解決されなければなりません。この「確認書」には、残念ながら、練馬区のメンタルヘルス対策がいかに立ち遅れているかが如実に現れています。区はメンタルヘルス対策の抜本的な強化に取り組むべきです。
具体的には、まず、5,000を越す職員が働く練馬区に産業医が非常勤の内科医ひとりしかいないという事態を早急に解消すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、メンタルヘルス対策に欠かすことのできない現場での「ラインによるケア」は、今後、どのように進めていくのでしょうか。
さらに、2月の予算特別委員会で、私は、教育現場においても労働安全衛生委員会や産業医を早急に設置するよう求めました。これに対して教育委員会からは、大事な課題であり指摘を受けとめたいという答弁を頂きましたが、新年度の対応はどうなっているか、お示しください。
総務部長 私から、職員のメンタルヘルスについお答えいたします。はじめに「確認書」についてであります。「確認書」は、平成17年度から、分限処分として地方公務員法に定める病気休職から復帰の際に、職員が提出しているものであります。これは、病気休職を繰り返し、批判を受けた他自治体の職員のように、区職員としての適格性を問われかねない繰り返しの休職状態に陥らないよう、健康管理に充分注意し、職務に励んでもらいたいという、職員の権利保護と公務能率の維持向上の観点から提出を促しているものであります。今後もこの趣旨が理解されるよう、説明に努めてまいります。なお、病気休暇から復帰した職員に対しては、「確認書」を提出させておりません。
次に、産業医についてであります。区では、メンタルヘルス対策を充実するため、産業医とは別に、月に1回、精神科医による「こころの相談室」を実施しており、また、週に3回、産業保健師による「こころとからだの相談室」を実施しているところであります。こうした「相談室」につきましては、本人はもちろんのこと、職場の上司なども活用しており、今後とも継続していく考えでおります。なお、特別区職員互助組合においても特別区職員を対象とした「相談室」を開設しているところであります。
次に、「現場におけるラインによるケア」についてであります。今後、各職場から精神科系疾患を原因とする病気休暇取得者の情報を健康管理部門に集約し、必要に応じて産業保健師がラインによるケアをサポートするなど、体制を強化していくこととしております。いずれにいたしましても、ご指摘のとおり、メンタルヘルスケアにつきましては、現在の人事管理上の大きな課題であると認識しております。特に休職者につきましては、現在も本入や主治医との度重なる面談や、無理のない復帰プログラムなどきめ細かい対応を行っているところであります。今後も関係各課が一体となって予防し、また早期の回復ができるよう、進めてまいります。
池尻 次に、4月より本格的に動き出した特別支援教育について伺います。
旧来の「特殊教育」が障害の種類や程度に応じた特別な場における教育を基本としてきたのに対して、特別支援教育は、可能な限り「場」の分離を排し、障害の有無にかかわらずともに育ち学ぶ教育の推進をめざすもの、いわゆるインクルージョン教育を志向するものとされています。
最近、東京都教育委員会がまとめた「特別支援教育推進のためのガイドライン」でも、「『障害のある者は別の場で』という考えが、未だ根強く残ってい」るとしたうえで、「今、我が国は、障害の有無にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し合う共生社会の実現を目指しています。この共生社会の実現のために、特別支援教育の果たす役割は大きなものがあります」と記しているところです。
特別支援教育は、当該の子どもたちへの支援を改善・充実させるだけでなく、全ての子どもたちが共生社会を学び作っていく基礎となるものであること。こうした指摘はきわめて重要です。とくに、周囲の子どもたちの理解を促し、係わり合いと支援の輪を広げていくことは、教育上も大変意義ある課題であると思われますが、この点について教育委員会としての認識を伺います。
また、こうした特別支援教育において大きな課題となるのが、就学指導のあり方です。教育委員会は、この間、就学相談の希望者に対して「適正な教育の場」の判定を行う一方で、最終的には保護者の意向を尊重して就学先を決定してきました。この点は、就学指導事務の柔軟な運用に意を用いてきた区教委の努力を評価するものですが、しかし他方では、就学判定の結果と異なる学校に就学したために「適正就学でない」とされ、それを理由に学校への保護者の付き添いを就学の条件とされる、学校が受け入れ態勢を組んでくれないといった相談や苦情も絶えることがありませんでした。
そこで伺います。特別支援教育の施行によって、「場に応じた教育」から「個に応じた教育」への転換が求められていること、通常級を含む全ての学校で障害のある子どもたちへの支援に取り組むこととなったこと、また、施行令の改正によって保護者からの意見聴取が就学指導上の原則とされたことなどをふまえ、就学指導を、就学先の「適正」「不適正」を判定するためのものから、就学後の適切な支援のあり方を見出すための専門的な助言と協議を目的としたものに改めていくべきではないでしょうか。
また、本人の障害の状況やニーズではなく、ただ「適正」就学かそうでないかによって保護者が特別な負担を迫られるようなあり方は、改めるべきです。たとえば、移動等介助員の配置にあたって、「適正」就学であれば年間40日までの配置が認められるのに、そうでなければ20日しか認められないという現在の運用は、不当な差別的取り扱いとなりかねないものであり早急に是正されるべきと考えますが、いかがでしょうか。
国は、今年度から「特別支援教育支援員」を制度化し、1校あたり84万円を地方交付税における基準財政需要額として算定することとしました。練馬区は地方交付税の不交付団体ではありますが、しかし、こうした人的配置が需要額として認められたことの意味合いは大きいものがあります。練馬区には、この支援員に相当すると思われる事業として、学級経営補助員と移動等介助員の事業がありますが、この二つの事業の主旨やあり方を整理しつつ、教育委員会として、新たに特別支援教育支援員を制度化すべきであると考えますが、お考えをお聞かせください。
教育長 次に、特別支援教育についてであります。
まず、特別支援教育の教育上の意義に関してであります。
特別支援教育の推進にあたっては、支援の対象となる児童・生徒だけでなく、周囲の子どもたちの理解や積極的なふれあいは欠かすことのできないものであります。すべての児童・生徒が、障害の有無にかかわらず、自己とは違った個性を認め合い、支えあうことができるよう、特別支援学級設置校における交流・共同学習のさらなる充実や、副籍制度による交流などの新たな事業に取り組んでいるところであります。
次に就学相談についてであります。就学相談については、これまでも保護者の意向を最大限に尊重するとともに、子どもの将来を見据えて、どのような教育が最も望ましいかという観点から、就学相談事業を行ってきました。ご提案の就学相談の見直しにつきましては、今後、特別支援教育を推進していくなかで、人的・経済的な面等も含め総合的な観点から検討していくべきものであり、現時点で直ちに実施することは難しいものと考えております。
次に、移動等介助員の配置日数についてであります。日数は、児童・生徒の障害の状況などにより、現在、肢体不自由の児童・生徒が四十日、それ以外の児童・生徒は二十日としております。保護者の負担軽減の観点から、設置日数の見直しについては、今後検討すべき課題と考えているところであります。
次に、特別支援教育支援員の制度化等についてであります。
現在、学級経営補助員や移動等介助員は、それぞれの設置目的に基づき事業を推進しております。これらの事業の整理、特別支援教育支援員の設置については、今後、特別支援教育を展開していくなかで、その必要性も含め検討して参ります。
池尻 次に、練馬清掃工場の建て替え計画についておたずねします。
練馬清掃工場では、この間、環境影響評価に先立つ現況調査が行われていましたが、その中で環境基準を上回る鉛が土壌中から検出されたという匿名の投書を頂き、先日、これが事実であることを確認しました。まず、この鉛による土壌汚染の程度と原因について、お示しください。また、その程度にかかわらず、環境基準を超える重金属汚染が確認された事実は軽視すべきではありません。土壌の調査ポイントはわずか7地点のみと聞いています。現況評価全般の調査結果をできるだけ速やかに公表するとともに、特に土壌については汚染原因の解明とあわせ、現況調査の対象、サンプル数、方法等を見直して徹底した再調査を行うべきです。お答えください。
練馬清掃工場の建て替えは、今回明るみに出た汚染のような環境・安全面の課題、ごみ・リサイクルに関する政策上の論点に加え、都市計画上の課題を抱えています。現在の工場敷地は第一種住居地域であり、本来、清掃工場は建てられない用途指定となっています。建て替えにあたっては、改めて都市計画上の適法性を整理する必要がありますが、計画決定権者としての区の姿勢をお示しください。また、現在、区が準備している絶対高さ制限が実施されると、当該地は20mの制限となります。さまざまな条件を満たして特例許可を受けられたとしても、最大で1.5倍、つまり30m.が限度です。清掃工場建屋の一般的な規模・高さからすれば、高さ制限を守りつつ、この限られた敷地で清掃工場を建て替えることはきわめて困難ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
練馬工場建て替えについて、私はこの間、清掃一部事務組合の施設整備計画を見直し、建て替えの是非も含めて再検討するよう求めてきました。これに対して区は、一組の計画は適切なごみ量推計に基づいており、「将来にわたって23区全体のごみを安定的に処理するため、計画化された施設整備については着実に推進していくことが必要」という姿勢を取り続けてきました。しかし、整備計画策定後、すでに事実上2年が経とうとしています。この間のごみ量の実績、さらには各区でのごみ減量の取り組みなどを踏まえ、整備計画を見直す必要性は高まっています。区も言うとおり、建て替えの必要性や規模の適否を判断するためには、施設整備計画とその前提となる一般廃棄物処理計画の見直しが必要です。区は、今なお施設整備計画は適切なものであると考えているのか、見直しを求める意志はないのか、お答えください。
環境まちづくり事業本部長 私から、練馬清掃工場の建て替え計画についてお答えします。まず、東京23区清掃一部事務組合が実施している現況調査における土壌の調査結果についてであります。7地点の調査地点のうち1地点から、鉛の溶出量に関する土壌環境基準値をわずかに上回る値が検出されたと聞いております。この調査地点は植栽内であり、過去においても汚水処理設備等が設置されたことがないことなどから、工場の操業が原因ではなく、自然的原因の可能性が高いと考えております。なお、周辺井戸を調査した結果、井戸水への影響は無かったとの報告を受けております。
また、この調査は、環境影響評価を実施する際の基礎資料を収集する目的で実施しており、今後、環境影響評価書案として取りまとめ、公表するとのことであります。なお、土壌のより詳細な調査につきましては、練馬清掃工場の解体工事にあわせ、東京都環境確保条例の規定に基づいて行われることとなっております。
次に、都市計画上の課題についてお答えします。
現在の建物については、建築基準法第48条のただし書きの許可を受けて建築されています。この許可権限は東京都にあり、今回もこの規定を適用して建て替えがなされるものと考えております。高さについては、現況の建物の高さの範囲で検討すると聞いておりますので、高度地区の指定の主旨も踏まえ、適切に誘導しでまいります。
次に、東京23区清掃一部事務組合の施設整備計画の見直しについてでありますが、この計画は、23区で合意されたごみ量推計の手法に基づき適切に策定された計画であり、現時点で見直す必要はないと考えております。なお、計画はおおむね5年ごとに改訂することとされており、しかるべき時期に、東京23区清掃一部事務組合において、見直しが行われるものと考えております。
池尻 つづいて、中国帰国者への支援について伺います。
元中国残留孤児などが起こした国家賠償訴訟は、原告数2,000人を超え、人間回復の闘いとして大きな社会的注目を集めてきました。国策で中国東北部などにわたり、敗戦時に現地に取り残された日本人孤児たちのその後の苦労は文字通り筆舌に尽くしがたいものであり、戦後ほぼ半世紀を経てようやく帰国がかなったのちも、言葉や文化、生活習慣の壁にはばまれて、不安定な生活の中で孤立を深める元残留邦人たちの姿は、戦争の傷跡の深さをあらためて感じさせるものです。国としての賠償責任の有無は別としても、中国帰国者の自立と日本の社会への受け入れをどのように進め支援していくかは、国・自治体を問わず、避けて通ることのできない喫緊の課題であると言わなければなりません。
今、国では、首相みずからの指示を受けて今後の支援のあり方を検討するために有識者会議が発足していますが、実は練馬区議会は、この中国帰国者問題について、2001年に「中国帰国者および家族に対する支援に関する意見書」を国・都に対して提出しています。その内容は、
「本区議会は、国および東京都に対し、今後とも、経済的自立支援はもちろんのこと、日本社会の一員として安定した生活が送れるよう、社会的、精神的自立支援の一層の充実強化を図るため、地方公共団体への助成や専門的立場からの支援など積極的な役割を果たすこと、およびボランティア活動の協力を得やすい環境を整備することを強く要望するものである。」
というものです。裁判に至った経緯と現状を見るとき、これは大変、先駆的な意見書であり、この趣旨に沿った努力を進めることが今こそ求められていると考えます。
そこで伺います。 まず、練馬区内に在住する中国帰国者とその家族はどのくらいの人数になるか、お示しください。
また、今年度、国の委託事業として東京都は「地域生活支援プログラム」事業に取り組んでいますが、この中には各市区町村が中国帰国者等のニーズに応じ独自に実施する事業も含まれることになっています。練馬区には数多くの中国帰国者と家族が在住し、帰国者の支援に関わるボランティア団体も活動しています。区議会意見書の趣旨も踏まえ、帰国者や関係する区民と協議しつつ区独自の自立支援事業を都に対して提案できないか、この機会にぜひ検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
健康福祉事業本部長 はじめに、中国帰国者への支援に関するご質問にお答えいたします。練馬区内に在住する中国帰国者とその家族の人数でありますが、区として、正確な人数は把握しておりませんが、永住帰国者として都営住宅に入居されている方は東京都の情報によれば、平成17年度現在、73世帯であります。
区はこれまで、中国帰国者に対する自立支援事業として、平成9年から中国帰国者等自立支援通訳者派遣事業を行い、定住と自立の促進を図ってきております。ご質問の「地域生活支援プログラム」につきましては、都から通知があって間もないことから、今後帰国者等の個々の実情や二ーズ把握に努めながら、慎重に区として、その対応を検討してまいります。
池尻 最後に、地域包括支援センターのあり方について伺います。
この4月から、地域包括支援センターのあり方が大きく転換し、これまであった4つのセンターに加えて、19の「支所」が在宅介護支援センターに併設されました。この支所のあり方について、1月の地域包括支援センター運営協議会では、この支所の職員はいったん本所の、つまり区の職員となり、その上で支所に派遣する。したがって、身分上は区の職員という扱いになるという説明がなされていました。新たなセンターの設置ではなく、あくまでも区直営の4センターの支所である以上、私は、こうした身分取り扱いは必要なことであると受け止めていました。介護保険法は、地域包括支援センターの設置・運営については、その業務の公正さ・中立性を確保することを旨としてきびしい制約を課しており、「支所」をおく場合には、当然、「本所」を設置する自治体あるいは法人との一体性を確保しなければならないからです。
ところが、4月以降、「支所」はこの説明とは大きく異なる形で発足しています。「支所」は、実際には「本所」つまり区からは独立した法人が運営し、法人の職員が直接、従事しています。「本所」と「支所」は業務委託を介してつながっており、経営上も人事上も両者に一体性はありません。
そこでまず、伺います。現在、練馬区がとっている「支所」のあり方は、地域包括支援センターに関する介護保険法の趣旨、規定に照らして問題はないのでしょうか。
第二に、現在、「本所」と「支所」は、経営上も組織上も独立しているにもかかわらず、オンライン上で本所サーバーの個人情報を共有していると聞いていますが、これは事実でしょうか。また、もし事実であれば、コンピュータの外部結合に関する手続きは適正に行われているのでしょうか。
また、今後、区として、「支所」を正式の地域包括支援センターとして整備していく方針をお持ちなのかどうか、さらにその場合に、現在の直営4所の取り扱いがどのようなものになるのかも、あわせてお示しください。
練馬区は、地域包括支援センターを区みずから設置運営する方針を採ってきました。そこには、センターに求められる高い公平性・中立性・専門性への配慮があったと理解しています。今後、民間事業者のセンターが設置されていくとしても、直営センターの存続も含め、区が包括的支援業務にしっかりと関与し、責任を果たしていくことが不可欠です。区のお考えをお聞かせください。
健康福祉事業本部長 次に、地域包括支援センターついてのお尋ねであります。まず、区が設置した地域包括支援センター支所(サブセンター)につきましては、国の見解を踏まえて適切に整備しており、法令上も問題はないものと考えております。また、既に平成十八年四月から在宅介護支援センターに設置した地域包括支援事業サポートシステム端末は、区が設置・管理する端末であるため、練馬区個人情報保護条例にある「区の機関以外のものの電子計算組織」には該当しないため、電子計算機の外部結合に関する問題は生じるものではありません。
なお、今後の地域包括支援センターの運営体制については、第四期介護保険事業計画を策定する中で、検討を進めてまいります。
いずれにいたしましても、「本所」「支所」の関係は、現在、緒についたばかりであり、今後のあり方につきましては、地域包括支援センター運営協議会でのご議論を踏まえて、検討しでまいります。
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