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7月1日、「順天堂大学付属練馬病院」が開院しました。ベッド数400、診療科は28を数え、区内で最大規模の病院になります。新しい建物とゆとりのある空間、最新の医療機器、アメニティに配慮された意匠、スタッフの熱意や意気込みも感じられます。区民の期待がふくらんでいきます。しかし、開院が近づくにつれて、あらためて不安と課題も浮かび上がってきました。
100億を越す財政支援
この順天堂練馬病院は、練馬区が誘致した、区民に支えられた病院です。この病院は、決して一大学法人の私的な病院ではありません。 「今般の区の誘致計画では、公的な目的と役割を担える病院とするため、区は施設整備費を相当程度補助することとしております。また、区の主体性を施設計画に反映させるために、区が施設の基本設計を行います。さらに、会員後は、区の誘致条件に沿って運営が行われ、区立病院と同様の性格と機能を有する病院となります。」
「区立病院と同様の機能と性格を有する病院」――岩波前区長がこう言ったのには、もちろん、理由があります。順天堂練馬病院は、練馬区の、練馬区民の、ほんとうに手厚い支援がなければ、決して生まれることはなかったのです。
※1 区有地部分を有償賃貸借とした場合に、どの程度の地代が発生するかを試算したもの。※2の借地料を基に計算
100億円を越す財政支援。病院の建設費だけ見れば、総額80億円のうち70億円、つまり約85%が公費です。あの立派な建物の大半は、税金が形を変えたものということになります。
などでしょう。しかし、こうした点では、実は順天堂練馬病院は、少なからぬ不安と課題をかかえているのです。
紹介率は「30%」が目標――地域医療連携は進むのか
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順天堂練馬病院の差額ベッドの設定 |
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室名 |
全ベッド数 |
差額ベッド数 |
差額 |
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特別室 |
7 |
床 |
7 |
床 |
60,000 |
円 |
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個室 |
74 |
床 |
21 |
床 |
24,000 |
円 |
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37 |
床 |
22,000 |
円 |
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2人室 |
26 |
床 |
26 |
床 |
10,000 |
円 |
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4人室 |
280 |
床 |
80 |
床 |
4,100 |
円 |
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その他病床 |
13 |
床 |
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合計 |
400 |
床 |
171床 (42.8%) |
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※個室のうち16床は、重症患者専用の個室(HCU)で差額徴収ができない。
「その他病床」は、ICU、CCU
差額ベッドの割合は42.8%と、4割を超えました。4人部屋でも、1日4,100円の差額が徴収されます。2週間入院すれば、5万円を超えてしまいます。もちろん、医療費の自己負担分は別です。
医療保険があるとは言っても、保険の自己負担分がどんどん大きくなり、しかも保険がきかない負担が次々と出てきて、“いのちの沙汰も金次第”という状況がじわじわと広がってきています。そんな時代だからこそ、公的な病院ではできるかぎり差額ベッドを減らし、収入や家計の多寡に関わりなく、誰もが安心して医療を受けられるようにしてほしい。それは、当然の願いでしょう。4割を越す差額ベッドは、多すぎます。とくに4人部屋については、部屋のつくりも同じ、「調度類で差をつける」というだけで4,000円の差額などとんでもありません。
もともと、順天堂練馬病院は高度急性期医療に重点を置いているため、慢性疾患、長期療養疾患、回復期リハビリなどの対応は期待できません。また、至近の距離に同じ大学付属病院である日大練馬光が丘病院があるのですが、この両者の役割分担や連携のあり方が整理されていないことも気になります。患者の権利も含めた医療の具体的な「質」がどうなっているのかも、まさにこれから問われてきます。
今後、連絡協議会が開催されていくことになります。「区立病院と同様」の病院にふさわしい運営と医療のあり方を求めて、順天堂練馬病院のこれからをしっかりと見守って行きましょう。